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商品ブランディングの構築手順について

商品ブランディングの構築手順について

企業が取り組むべきブランディングの第一歩目は、商品ブランディングだと言われている。とはいえ、商品ブランディングとは一体何なのか、どのような手順で行えば良いのか、よくわからないという人は多いだろう。
そこで本記事では商品ブランディングについて解説した上で、商品ブランディングの構築手順について紹介する。

商品ブランディングとは

商品ブランディングとは、自社の商品に競合の商品には無い価値を付加する活動を指す言葉だ。
多くの顧客は、質の高い商品や良いイメージがある商品に大きな価値を見出す。そのため、商品ブランディングを行う際には、機能や品質の向上、デザインの追求、共感できる広告の制作・配信に注力することになる。

商品ブランディングを成功させることができれば、多くのリピーターを獲得できる。また、商品の好感度のみならず、企業の好感度も高めることができる。企業の好感度まで高めることができれば、ファンとなった顧客から大きな期待を寄せられるようになり、次に売り出す商品も多くの顧客に手に取ってもらえるようになる。安定した売上を確保したいのであれば、商品ブランディングを行わない手はないだろう。

商品ブランディングの構築手順


商品ブランディングの構築を行う際には、以下の手順を踏むと良い。

1.市場環境の調査・分析

商品ブランディングを行う際には、第一に市場環境の調査・分析を行おう。このフェーズで明らかにしたいことは、自社の強みと自社が勝負できる市場だ。これらを明らかにするためには、以下の手順で市場環境の調査・分析をすると良い。

①PEST分析によって政治・経済・社会・技術といった4つのマクロ環境を明らかにする。
②3C分析によって顧客・競合・自社といった3つの視点から自社を取り巻く環境を調査する。
③SWOT分析によって自社の強みと弱みといった内部環境、自社にとっての追い風と脅威といった外部環境を明らかにする。
④コア・コンピタンス分析によって競合には無い自社の強みを明らかにする。
⑤STP分析によって市場の細分化を行い、勝負する市場や市場で狙うポジションを決定する。

2.ブランドコンセプトの構築

市場環境の調査・分析によって自社の強みと自社が勝負できる市場を把握できたら、ブランドコンセプトの構築に着手しよう。ブランドコンセプトとは、ブランディングする商品に持たせる理想的な世界観だ。

ブランドコンセプトを構築する際には、ブランドアイデンティティプリズムを活用し、ブランドの特徴や役割、ビジョン、パーソナリティ、提供価値、ターゲットペルソナといった6つのブランドアイデンティティを明らかにすると良い。また、ブランドアイデンティティに基づき、ブランドの使命や理念を簡潔にまとめたブランドステートメントを設定しよう。

3.商品開発

ブランドコンセプトが固まったら、いよいよ商品開発だ。ブランドコンセプトに則り、ネーミングやブランドロゴデザイン、プロダクトデザイン、パッケージデザインを考案しよう。

先述のとおり、顧客は機能や品質を重視する。しかし、機能や品質で競合と差をつけることが難しいということもあるだろう。そのような場合は、顧客の心をつかむネーミングやデザインの考案に注力しよう。

4.プロモーション設計

商品開発以上に力を入れて取り組みたいのが、プロモーション設計だ。プロモーションの方法により、商品のイメージは大きく左右される。特に、機能や品質で競合と差をつけることが難しい商品をブランディングするためには、プロモーションの工夫が欠かせない。

主なプロモーションの方法としては、広告を出したり、商品について紹介するWebサイトを開設したりすることが考えられるが、今特に注目を集めている手法としては、YouTubeやInstagramをはじめとするSNSでの動画によるプロモーションが挙げられる。動画を使えば、商品の魅力をありありと伝えることができる上、共感できるストーリーがある動画を制作してSNSで配信すれば、商品の好感度を高めることもできる。

また、商品の魅力を第三者目線で伝えることができるコントロールメディアも見逃せない。コントロールメディアを活用すれば、人が持つ第三者の言葉を信用するという心理、いわゆるウィンザー効果によるイメージアップを期待できる。

5.ブランドマネジメント

商品を世に送り出したら、ブランドマネジメントに取り組もう。ブランドマネジメントとは、ブランドの価値を高めるためにブランディング施策の結果の分析と改善を繰り返し行っていくことだ。

ブランドマネジメントを行うためには、ブランドの社内浸透が欠かせない。ブランドについてまとめた小冊子であるブランドブックを社員に配布したり、研修やプレゼンテーションを実施したりといったインナーブランディングを積極的に行い、全社員が一丸となってブランドマネジメントに取り組める環境を整えよう。

まとめ

商品ブランディングが成功すれば、商品はもちろん、企業の好感度も高まり、安定した売上を確保できるようになる。市場環境の調査・分析、ブランドコンセプトの構築、商品開発、プロモーション設計、ブランドマネジメントといった5つのステップを踏み、効果的な商品ブランディングを行おう。

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