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商談を成約に結びつけるメッセージの伝え方を紹介

商談を成約に結びつけるメッセージの伝え方を紹介

商談をしたことがあるビジネスパーソンであるならば、「つまり何が言いたいの?」「話が長いので、もう少し主旨を絞ってくれないか」と相手に言われてしまった経験はあるはずだ。

商談に慣れていないうちは、この相手の言葉がトラウマになってしまう人もいる。

しかし、このような相手の言葉は、決して悪意を持ってやり込めてやるという意味ではない。
むしろ、こちらのメッセージがよくわからなくて困惑しているという認識に改める必要がある。

商談での提案などは、単なる状況説明をするのではなく、「メッセージを届ける」ことを意識すると、相手から先程の言葉は出なくなる。

この記事では、商談をするうえで相手に届きやすいメッセージの伝え方について、解説していく。

商談でのメッセージに必要なもの

メッセージとは、単に「伝えたいこと」ではない。
「主張」と「根拠」が含まれていることが重要だ。

主張とは「~をすべき」「~をしましょう」という話全体の結論である。
また、根拠とは主張をしっかり支える情報を意味する。

大方の「つまり何が言いたいの?」と言われるケースには、主張が述べられていないことが多い。
その結果、相手は「この話の結論は何か?」と悩んでしまうのだ。

一生懸命に説明していても、話している内容が単なる情報の羅列であった場合、メッセージにはならないのである。
商談をうまく進められない人には、「~をすべき」と伝えるのが苦手な人が多い。

しかし、商談をする際には、最終的な結論である主張は必要不可欠である。
その主張がないということは、相手に結論を考えてもらうことになるため、提案を丸投げしているのと一緒になってしまう。
「全体として言えることは〇〇なので、○○をしましょう」としっかり言うことこそ、相手に伝わるメッセージなのだ。

商談をスムーズにするツール、ピラミッドストラクチャーとは


それでは、主張と根拠がきちんとそろったメッセージを作るためのやり方を解説していく。
それは、ピラミッドストラクチャーという手法だ。

ピラミッドストラクチャーとは、ものごとを論理的に整理し、シンプルに提案するためのフレームワークのことを指す。
フレームワークの中には「5W1H」や「PDCA」といった有名なものもあるが、ピラミッドストラクチャーもまた、「概念や法則などを活用し、問題解決や意思決定を行いやすくするためのテンプレート」であり、商談でのメッセージを考えていく際、大いに活用できる。

ピラミッドの頂点にあるべき主張をメインメッセージと考える。
そして、メインメッセージを支えるサブメッセージ、そのサブメッセージを支える根拠というように、下が上を支える構造となっている。

作り方としては、「メインメッセージを考え出してから根拠をそろえていく方法」と「根拠をまとめながら、メインメッセージを考え出していく方法」の2パターンがある。

提案及び企画などの主張がすでに決まっている場合は、メインメッセージからサブメッセージへと下に向けて根拠と関連づけをしながらまとめていく。

一方で現状に問題があり改善策を提案する場合には、現状から何が言えるのかをまとめていき、最終的な改善策をメインメッセージとして導き出す。

このピラミッドの大きさに関しては、主張の難易度によって異なる。
大規模な提案や企画であればたくさんの根拠が必要となるため、ピラミッドも大きくなるが、簡単な内容であれば小さいピラミッドで十分であろう。

総じて言えるのは、サブメッセージは3つくらいに絞るのがコツである。
それ以上になると、相手が理解しにくくなる可能性があるからだ。

また、根拠から積み上げていく場合は、収集してある情報をすべて使わなくても構わない。
根拠になりそうな情報が多いと全部入れようとしがちであるが、情報量が多いということは、かえって相手を混乱させる原因にもなるからである。

伝えるべき情報は、わかりやすい説明をするために抜粋すべきである。
主張に必要な根拠情報に絞り込むだけで格段に理解しやすくなる。

もしも「この情報も聞かれるかも」と思った場合でも、メインメッセージに直接関係がなければ、添付資料などにするなど本編からは外しておき、実際に聞かれたら答えれば大丈夫だ。

商談相手には選択肢を用意する

相手が提案事項をすべて理解しているのに、なかなか決めてもらえないようなときは、選択肢を提示することが効果的である。
相手が決められないのは優柔不断ということではなく、他の可能性を考えている場合が多いからだ。

選択肢を比べることは様々な可能性を探りながら、どれにするか絞り込むということになる。
1つの案だけ提示し「〇〇にしてください」と決断を迫ると、「他の可能性はないのか」「この点はもう少し検討した方がいいのでは」など、あれこれ指摘されることになる。

そのような状況下で「絶対に○○がいいです」などと主張をごり押ししても、受け入れてもらうことは難しいだろう。
このようなときは、選択肢を提示し比較検討を促した方が、相手は安心するのである。

選択肢の数は場合によって異なるが、まずは3つの選択肢を考えるとよい。
自分が決めてほしいと思っている提案と、それに上回る積極的な案とリスクの少ない消極的な案である。
この3つの案を比較することで、おおよその可能性は見えてくる。

たいていは、両極端の案は選びにくいものだから、真ん中の案を選ぶこととなる。
ときには、4つ、5つの選択肢を増やすと、さらに検討したという感覚になるが、あまりに複雑で微妙な違いだと、かえって相手が混乱してしまうので注意が必要だ。

また、商談では、相手が興味を惹くような意外性のある情報から入るのが有効である。
そのあとに、相手が感じる様々な不安や疑問を払拭する情報提示していく話の運び方が重要だ。

たとえば、「実は〇%の人が○○に興味を持っていることをご存じですか」(相手が知らない意外性のある情報)と切り出し、続いて「それを解決する手段として○○が注目されています。○○のリスクをお考えでしょうが、以前よりもずっと安全性が向上しています」(不安を払拭)、そして「一度、試用を検討して頂けませんか」(結論)と進めていくと効果的である。

まとめ

商談において、相手が理解しやすいメッセージの伝え方について解説してきた。
しかし、いくらポイントを押さえた伝え方をしても、「相手のニーズ」に合っていなければ成約にはつながらないだろう。

ときには主張を前面に出さず、「聞き手」に回ることも大切だ。

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