COLUMN経営コラム

マーケティング

2023.01.24

今、注目されるサブスクリプションをわかりやすく解説

今、注目されるサブスクリプションをわかりやすく解説

2000年代以降、「サブスクリプション(Subscription)」というビジネスモデルが注目を集め、様々な業界で急速に導入されてきている。
なぜ、その収益モデルが注目されるのか、メリット・デメリットを踏まえたうえ、成功事例なども含め解説していく。

サブスクリプションとは

サブスクリプションとは、簡単に言えば消費者が製品やサービスの使用権を定期購入するビジネスモデルを指す。
従来の収益モデルは、製品を購入して永続的に使用権を得る「買い切りモデル」が一般的であった。
製品やサービスによっては、一定期間の保証が設けられているが、「買い切り」では基本的に購入した段階で、企業と消費者の関係性は終了となる。
したがって、故障したり新製品が発売されたりした場合は、再び買い直すという行動パターンが一般的であった。
しかし、不況や節約志向といった時代背景から、製品が売れない時代となり、大きな市場拡大は見込めないのが実状だ。
そこで登場したのが、サブスクリプションという収益モデルである。
契約期間で製品を使用できるサービスであるため、買い切りのように所有せずに、必要なとき必要な分だけ製品やサービスを使用し、不要になったら契約を終了できるので、合理的で無駄が発生しない。
契約期間中は、万全のサポートを受けられるうえ、常に最新の製品を使用できるという利点もある。
企業側にとっても、消費者と長期的な関係を構築することで、継続的に顧客の数を予測することができ、安定した収入を生み出せるというメリットもあるのだ。
消費者と企業の双方がマッチする点が、サブスクリプションが求められる理由と言っていいだろう。

買い切りとサブスクリプションのメリット・デメリット


それでは、買い切りとサブスクリプションの2つの収益モデルについて、メリットとデメリットを比較してみよう。

買い切り

買い切り型の場合、支払い方法は購入時に一時払いするのが一般的である。
そして、保証やサポートに関しては、指定されて期間のみの対応が標準である。
まず消費者側のメリットであるが、製品を所有することになるので、好きなときに利用できるという点である。
また、企業側のメリットとしては、販売時点で大きな利益を得られることだ。
一方で、消費者側のデメリットとしては、初期費用が高額であること、または保証やサポート期間が終了したり新製品が出た場合は、買い直しが必要になってくることが挙げられる。
企業側のデメリットは、消費者との関係性が短期的であること、ユーザーのニーズが把握しにくい点である。

サブスクリプション

サブスクリプションの支払い方法は、月額あるいは年額である場合が多い。
保証やサポートについては、契約期間中は常時対応するのが一般的である。
消費者のメリットは、初期費用が安いこと、契約期間中は万全の保証やサポートを受けられること、常に最新の製品を利用できることなどが挙げられる。
企業側のメリットとしては、長期的な利益を得られる点、製品やサービスを改善できる点である。
また、消費者のデメリットとしては、契約期間が終了したら利用できなくなること、使用しなくても料金が発生することが挙げられる。
企業側については、短期的な利益は少ない点がデメリットと言える。

サブスクリプションビジネスの成功事例

次にサブスクリプション化したビジネスの成功事例を紹介しよう。

Adobe

ソフトウェアのサブスクリプションのパイオニアとして有名なのが「Adobe」である。
「Photoshop」「Illustrator」などのクリエイティブな業務に欠かせない製品を開発・販売していたが、買い切り製品での提供では、発展著しいIT環境での対応が難しくなっていた。
そこで同社は、2012年に「Adobe Creative Cloud」というサブスクリプションを発表した。
そして翌年には、買い切り製品からの全面移行へ舵を切った。
当初はユーザーからの困惑の声も上がったが、高価なソフトウェアを安価な月額・年額で自由に使えて、最新版をすぐに使えるというメリットが徐々に認知されていく。
この思い切った経営戦略により、同社のソフトウェア事業は安定して成長していくことになる。

Netflix

近年日本でも、定額制動画配信サービスは爆発的に会員数を伸ばしているが、この分野での成功事例として有名なのが「Netflix」だ。
月額800円~1,800円というリーズナブルな料金で、映画・アニメ・ドラマなど約6,000作品がストリーミング配信で見放題になるサービスである。
創業当初は、定額制でDVDのレンタルサービスを営んでいたが、起業後10年目の2007年に現在のような動画配信サービスを開始した。
この頃は、リーマン・ショックの影響で世界的に景気が低迷していた時期である。
モノを所有することから価値を利用することへ、人々の価値観が移り変わったことにより、Netflixのサービススタイルが急速に受け入れられたのだ。

Kindle Unlimited

何万冊にも及ぶ雑誌や書籍をスマートフォンやタブレットで、いつでもどこでも読むことができる定額制の読み放題サービスも普及してきている。
この分野での草分け的存在は、世界的なオンラインショッピングサイトを運営するAmazonが展開した「Kindle Unlimited」だ。
Amazonは長年にわたって、電子書籍サービス「Kindle」を行ってきたノウハウを活かし、米国では2014年、日本では2016年にこのサービスを展開した。
月額980円で200万冊以上の書物が読み放題になるとあって、日本のユーザーにも爆発的な人気となった。

まとめ

インターネットが普及し、デジタル技術によってビジネスやライフスタイルに大きな変革を起こすことを「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と呼ぶ。
このDXがビジネスや社会に浸透してきたことが、サブスクリプションの普及・拡大につながった大きな要因と言えよう。
「自社のホームページでの集客がうまくいかない」「営業代行のアウトソーシングを考えている」などでお悩みの経営者の方、是非一度未来マーケティングにご相談いただきたい。
弊社独自の成果報酬型サービスで、御社の課題解決に向けて全力でサポートする。

PAGE TOP