COLUMN経営コラム
マーケティング
2022.07.06
【Web集客】無料で顧客獲得を効率化するマーケティングオートメーション(MA)をご紹介
マーケティングオートメーション(MA)という概念は、2000年代に米国で生まれ発展してきたものであるが、日本においては2013年頃からマーケティング分野で知られるようになった。
「聞いたことはあるが詳しく知らない」「自社で取り入れたいが導入のしかたがわからない」という方も多いことであろうが、この記事ではWeb集客におけるMAツールの重要性とおススメ無料ツールの種類、そして成功事例などについて紹介していく。
Web集客に不可欠! MAツールの重要性とは
「One to Oneマーケティング(顧客一人ひとりに合わせたマーケティング)」を実現するにはどうしたらよいか。
その一つの方法となるのがマーケティングオートメーション(MA)である。
MAを一言で説明するならば、「デジタルテクノロジーによってマーケティング活動を自動化すること」といったところになる。
MA活用にあたり基本概念である「マーケティングファネル」を知っておく必要がある。
MAは見込み客情報を一元的に管理し、見込み客に対する様々な働きかけによって見込み度を高めたうえで営業プロセスへとつないでいく仕組みであり、一人ひとりの見込み客がどのような状態にあるのかを常に判別しながら管理する。
このような見込み客をその状態に応じてステージごとに分別し、管理する考え方を「マーケティングファネル」と呼ぶ。
ちなみに「ファネル」とは、入り口が広く出口が狭くなっている形状、つまり「じょうご」のような形態を指しており、多数の見込み客から少数の顧客が生まれる状況を表した比喩的表現である。
また、このマーケティングファネルに関連する概念として以下の4つが挙げられる。
1つ目は「リードジェネレーション」と呼ばれるもので、見込み客を獲得すること言う。
例えばSEO(検索エンジン最適化)、ディスプレイ広告、ソーシャル、展示会・セミナー開催などの施策が該当する。
次は「リードナーチャリング」であり、見込み客を様々な施策により育成することである。
それぞれのステージに適した情報や体験をメール、Webサイト、アプリのプッシュ通知、DM送付などの施策でアプローチし、見込み度を高めていくことである。
3つ目は「リードクオリフィケーション」と呼ばれるもので、見込み客の見込み度合いを見極めることである。
まだ検討初期段階なのか、既に検討が進んでいるのか、ステージに分別して状態を識別することを言う。
そして4つ目は、「リードマネジメント」であり、これは前述の3つ、つまり見込み客の「獲得」「育成」「見極め」の一連のプロセス全体を指す概念である。
MAは、このリードマネジメントのソリューションとなるため、この点については以前から広く利用されてきたメール配信などとは一線を画するものと言える。
では、MAが「One to Oneマーケティング」にどれだけ重要性があるのか、具体例を挙げてみよう。
例えば、自社製品を出展した展示会の来場者に対してメールを送り、Webサイトで閲覧可能な動画で製品の機能を詳しく紹介するという案内をしたとしよう。
メールを受け取ったA氏はその製品に興味を持っていたため、その動画を見たいと思ったが、その時は忙しかったので後で見ようと思いメールを閉じてしまった。
それから2週間ほどが経ち、ふとその製品のことを思い出したA氏が動画を見ようと思いメールを探したが見つからない。
しかし、A氏は製品の名前を記憶していたため、製品名で検索し無事当該サイトに辿り着き動画を見ることができた。
このケースの場合、メール配信システムのレポート上ではA氏はメール内の動画へのリンクをクリックしておらず、「動画は見ていない」という結果になっている。
一方で、「製品名で検索してサイトに訪問し動画を見た人がいる」という事実はWebサイトのアクセス解析ツールによって把握できるものの、それがA氏であったということはわからない。
したがって、もしもこの企業が「メールに反応して動画を閲覧してくれた人に対して、期間限定の特別割引キャンペーンの案内メールを送信する」という施策をとっていた場合、A氏はその対象から外れてしまうことになる。
それでは、この企業がMAツールを導入していた場合はどうなるか。
MAツールには次のような機能が備わっている。
・展示会来場者を見込み客として管理する機能
・見込み客に対してメールを配信し、その反応を把握する機能
・見込み客のWebサイト閲覧行動を把握する機能
・メールへの反応やWebサイト閲覧行動をトリガーとして、その見込み客に対する次の施策を自動的に実行する機能
よって、MAが導入されていれば、A氏の動画閲覧をトリガーに「期間限定の特別割引キャンペーンの案内メール」を配信することができ、さらにその案内メールへの反応次第によっては次なるアプローチを実行という形で、A氏の購買意欲を高める施策を自動実行できるのである。
もはや、現代のWebマーケットでは、MAはなくてはならない集客ツールなのである。
Web集客に役立つ無料MAツールおススメ3選
Web集客においてマーケティングオートメーション(MA)が如何に重要であるかはわかっても、いきなり高額なコストがかかってしまうようでは、やはり二の足を踏んでしまうだろう。
そこでおススメなのが無料MAツールである。
実際にトライアル期間も含めたおススメの無料ツールを紹介しよう。
BowNow
導入社数7,500社を誇り国内MAツールで№1を謳い、フリープランから始められ初期費用ゼロで導入可能、初心者におすすめなツール。
継続率は98,4%で多数のユーザーを獲得している。
ポイントとなる機能は次の3つのステップに分けて管理される。
・見込み顧客を収集し判別する
・見込み顧客に有益な情報を配信し良好な関係を築く
・見込み顧客の検討タイミングを逃さず効率よく商談を創出する
MAの基本機能を忠実に実現しているが、別途リード数やPV(page view)数によって課金されるオプションも設けられている。
HubSpot CRM
CRMとは(Customer Relationship Management:顧客関係管理)の略語であり、アメリカでは非常に有名なツールである。
無料で使えるEメールやフォームなどを提供するMarketing HubTM、コンタクトや取引を管理する営業支援ツールSales HubTM、ウェブチャットやチケット管理などを行うヘルプデスクツールService HubTMなど、一般的なMAツールより多機能であるため、無料とは言っても十分活用できるおすすめツールである。
こちらも更に高度なサービスを提供するプレミアム機能で課金されるシステムとなっている。
MAJIN
広告プラットフォーム事業を展開している株式会社ジーニーが運営しているため、広告配信の様々な機能に長けている。
ただし、無料トライアル期間は30日間で、以降は月額10万円からの運用となる。
掲げているポイントは次の3つだ。
・直観的に使いやすくインターフェースで運用しやすい
・多様な配信チャネルで、きめ細やか&幅広く顧客にリーチ
・顧客発掘から営業まで、ワンストップで事業を拡大
シンプルで成果の出るMAとして期待できるツールである。
MAツール導入での成功事例
それでは、実際にMAを導入して成功した企業の例を紹介しよう。
今回紹介するG社は外資系の医療機器メーカーである。
超高齢化に入った日本では医療環境も大きく様変わりし、クリニックや開業医など地域医療を担当する施設へのコンパクトで高度な機器の提供が必須となってきた。
それに伴いマーケティングにおいても、従来の大病院に担当者を付けるといった顧客との接触手法だけではない変化が求められていた。
また、それまでの医療機器は医師や技師の視点で作られているものが多かったが、これからは、より一層患者の視点に立った製品作りを考えるようになったと言う。
このように大病院だけではなく、地域医療を担うクリニックやリハビリ施設も顧客としての重要度が高まってきたため、従来の手法ではアプローチしきれないと踏んだ同社は、One to Oneマーケティングを実践するためにMAツールの導入を決断した。
ここでは同社が開発したライフサイエンス部門の新製品「Amersham WB system」の販促状況について紹介する。
ライフサイエンスとは、生物学・生化学・医学・心理学・生態学のほか、社会科学なども含めて総合的に研究する学問のことであり、この新製品はタンパク質の検出を行う「ウェスタンブロッティング(WB)」と呼ばれる実験を行うための装置で、1機数百万円もするライフサイエンス部門の商材としては高額商品である。
MAツールを利用し、想定顧客の購買意欲を引き出すためのシナリオを5つのコンテンツを使って設計した。
・WB Web portal
・製品紹介e Book
・WB Data sheet
・How to video
・デモ依頼
質問に答えていくと結果に応じて表示が変わり、個人情報を登録するとコンテンツのダウンロードができるようにした。
更にこのシナリオを受け取った人がメールを開封したりリンクをクリックしたときは、メールで追加情報を配信するように設定した。
今回このツールを利用して行ったアプローチの結果は以下のとおりである。
・配信数 2万7,339件
・開封数 5,672件(開封率20,75%)
・クリック数 611件
・クリック率 2,2%
・リード数 74件
・コンバージョン率(CVR) 12%
・SQL 1件
特筆すべきはSQL(Sales Qualified Lead)と呼ばれる確度の高い見込み客があったことで、具体的には配信当日に「営業担当者の訪問を希望する」というものであった。
「Amersham WB system」のような高額商品が、デジタルのマーケティング施策のみで短期間のうちに確度の高い顧客を獲得したことについて、同社では驚きの声が上がったと言う。
まとめ
紹介したとおり、MAツールは企業にとって大変便利な顧客獲得ツールである。
しかし、その活用のゴールやアプローチが曖昧なまま導入が進み、十分な成果が上がらないというケースも少なくない。
MA成功には「戦略」「コンテンツ」「システム」の3本柱がしっかり支えあっている必要があることを忘れてはならない。
「MAツールを導入しても思いどおりの成果が上がらない」「便利だけどコストがかかり過ぎる」などでお悩みの方は、是非一度未来マーケティングにお任せ頂きたい。
Webマーケティングに精通した専門スタッフが、必ず御社が満足する集客の実現をお約束する。