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マーケティング

2022.09.27

D2Cに関する基礎知識について解説

D2Cに関する基礎知識について解説

近年、D2Cという言葉をよく聞くようになった。

D2Cとは「Direct To Consumer」の略語で、「直接顧客に」の意味を持つ。

では、なぜ「直接顧客に」が必要なのだろう。

それは、時代の変化と関係がある。

たとえばアパレルの場合、生地の製造から縫製、商社による仕入れ、店舗販売と長い工程を経て、最終的に顧客が購買することになる。

顧客のニーズが同じであれば、大量に生地を製造、縫製、仕入れ、販売すれば、大量生産・大量消費というビジネスモデルが成立する。

しかし、ネットやスマホが普及した現在、顧客のニーズも多様化し、前述のビジネスモデルは成立しづらくなっているのが実情である。

この大量生産・大量消費モデルに替わるのがD2Cに代表される「直接顧客に」価値を届けるモデルなのだ。

この記事では、D2Cに関する基礎知識を解説していく。

D2Cを構成する3者の関係

D2Cのモデルに限らず、店舗での販売やEC(電子商取引)をはじめとする大概の商取引は、製造者・販売者・購買者の3者で構成されている。

製造者は、モノまたはサービスを実際に作る役割である。

材料を仕入れて製造し、原価を上回る価格で販売者に販売するビジネスモデルである。

具体的には、自動車・家電・食品といった事業者が製造者のカテゴリーに相当する。

そして、製造者から仕入れたモノ・サービスを購買者に販売するのが販売者である。

製造者から仕入れたときの原価を上回る価格で購買者に販売するビジネスモデルとなる。

具体的には、アマゾン・楽天などのECサイト、または小売店などがこれに相当する。

そして、最終的には購買者が販売者からモノ・サービスを購入して消費する。

この3者の関係を2つのモデルを例に説明しよう。

まず、自動車メーカーの場合であるが、鉄鋼や自動車部品など自動車製造に必要な材料・部品を仕入れ、自社で組み立てて完成させる。

そして、完成した自動車を販売者であるディーラーが仕入れ、購入者に向けて販売するモデルとなっている。

次にポータルサイトの場合を見てみよう。

モノだけではなくサービスにおいてもこの流れは大きく変わらない。

たとえば、ポータルサイトの場合、製造者に相当するYahoo!などのポータルサイト運営者が、コンテンツを保管するサーバ・クラウドを契約し、それに加えて社内人材・外注の工程を経てポータルサイトを構築する。

ただし、ポータルサイトを作っただけでは利益を生まないので、サイトの中に広告枠を販売者である広告代理店が仕入れ、広告主に販売。

そして、最後にそれを販売者に認知・販売を促す仕組みだ。

D2CはB2B、B2Cと何が違うのか

オンライン、オフラインを問わず、あらゆるコマース(商行為)は、製造者・販売者・購買者の3者のプレーヤーから構成されていることは前項でも述べた。

そして、それぞれのプレーヤーがどのような商行為を行うのかは、以下の3つのパターンに分類できる。

まず、B2B(Business to Business)であるが、製造者と販売者、言うなれば「モノを売る側」と「モノを買う側」で成立するビジネスを指す。

また、B2C(Business to Consumer)とは、販売者が製造者から仕入れたモノ・サービスを購買者に販売するビジネス形態のことである。

購買者から見れば、アマゾン・楽天のようなECサイトで商品を購入した場合は、これに該当する。

そして、本記事のテーマであるD2C(Direct to Consumer)であるが、上記のB(ビジネスまたは企業を指す)は製造者と販売者が2つに分離していたが、これらが一つになり「製造者+販売者の集合」がダイレクトに購買者に商品を販売する方法を指す。

つまり、B2BやB2Cはプレーヤーを分離するアプローチであり、それはいわゆる「餅は餅屋」というように製造者はモノ作り、販売者は仕入れたモノ・サービスを購買者に販売する役割を限定することで、必要以上に規模を拡大することなく運営できることがメリットである。

しかしその反面、製造者は購買者のニーズを直接把握することができない、あるいは販売者は購買者のニーズを掴んでいるものの、モノ・サービスを作る機能がないというデメリットもある。

そこで、分離されていた役割を「一体化」した手法であるD2Cが誕生したわけである。

製造者と販売者を「一体化」することで、製造者は購買者のニーズをダイレクトに把握でき、販売者も自社で製造できるメリットがある。

ただし、この「一体化」を実施した場合、それに対する経営リソース(人・モノ・金)がかかることがデメリットとも言える。

D2Cの代表格、ユニクロのビジネスモデルを紹介

それでは、日本をはじめ世界中に衣料品を製造・販売するユニクロのビジネスモデルを紹介しよう。

ユニクロのビジネスモデルは、「企画」「生産」「販売」の3つの要素から構成されている。

川の水が上流から下流に流れるように、原料(上流)から生産(中流)、販売(下流)までの全ての工程を自社で完結している。

ユニクロにおけるそのプロセスを見ていこう。

企画

ビジネスモデルのスタートラインは、企画および原料調達となる。

衣服の重要な原材料は「ファブリック(布)」とその布を構成する糸・繊維である。

たとえば、ヒートテックのような冬でも保温性を確保するには、特殊な糸・繊維が必要となり、ユニクロは繊維大手企業である東レと共同開発する。

また、そのような特殊な繊維を使いつつも顧客がどのような商品を欲しがるか、こうしたニーズを世界のファッショントレンドと照らし合わせて発見することも重要であり、コンセプト会議を経てデザインが決定されるのだ。

そして、店舗に製品を並べるには、春夏秋冬それぞれの季節にどれだけ生産して、どれだけ在庫を持つかといったマーチャンダイジング(商品化計画)が大変重要である。

生産

商品化計画を経て、実際に企画した製品について調達した原材料を使って生産する。

ユニクロの場合、自社工場を保有していないことから、中国・ベトナム・バングラデシュなどの工場に委託している。

ただし、委託した工場でユニクロの求める品質確保のサポートを行っている。

販売

商品化計画、生産を経て、いよいよ店舗での販売となる。

店舗には「実店舗」と「EC」がある。

いずれにおいても重要なポイントは、工場から運んだ製品を店舗で適切な量の在庫を持ちつつ販売することである。

まとめ

このように「企画」「生産」「販売」の3つの工程が製造小売業のビジネスプロセスと言える。

そして、その3つのプロセスの最も重要な肝は、カスタマークリエーション、すなわち「顧客のニーズに基づいた新商品開発」と言えるのだ。

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