COLUMN経営コラム

高額商品が売れるコントロールメディアとは?

高額商品が売れるコントロールメディアとは?

「コントロールメディア」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。
あまり馴染みのない単語かもしれないが、実はオウンドメディアやペイドメディア、アーンドメディアと並ぶマーケティングの要を担う重要なマーケティング技法となる。

自社商品を売るためのマーケティングといえば、一般的にはいかに自社商品を大勢の人に認知してもらうかを念頭に、自社商品の魅力を大々的にPRすることが大切だ。自社ホームページはもちろんのこと、FacebookやTwitter、昨今ではYouTubeも重要なメディアとして頭角を現した。しかし、一連のマーケティングはあくまでも自社メディアとしての発信のため、客観的評価に欠けているのが欠点でもある。

そこで生まれたのが「コントロールメディア」という、購買者の深層心理に訴えかけた心理的・論理的効果に基づくマーケティング手法となる。

コントロールメディアと「ウィンザー効果」


近年はビジネスマーケティングを行う上で、「ウィンザー効果」という人の心理的効果を狙った集客法がネット業界を中心に注目されるようになった。ウィンザー効果とは、簡単に言えば「第三者による評価は自分で発信するよりも信頼性が高い」ということだ。

恋愛におけるウィンザー効果


心理的効果とは特殊な場面で発生するのではなく、そのほとんどが日常の中で無意識のうちに体験・享受しているもので、ウィンザー効果もその1つとなる。例えば恋愛におけるウィンザー効果を説明すると、下記のようなやりとりはおそらく多くの男性女性に親しみがあるのではないだろうか。

状況
男性A氏は女性Bさんに好意を寄せている。

ケース①
A氏はBさんに直接面と向かって「僕は女性に優しくする性格なんだ、だから君のことを大事にするよ」と言う。そのときのBさんが抱く感情。

ケース②
Bさんが女友達とカフェをしていると、「この前A氏と久しぶりに会って会話したんだけど、彼とっても紳士的ね。きっと人間性がとてもいいのよ」と第三者の立場である女友達からA氏の性格を聞いたときのBさんが抱く感情。

Bさんは上記ケース①と②の場合、どちらがA氏を親切で信頼に足る人物だと認識するだろうか。
答えは明白で②となる。これは女友達という第三者によるA氏の評価が、Bさんにとっては信頼できるものと認識するからだ。

しかし気を付けていただきたいのは、「A氏と第三者が強い結びつきの関係にあってはいけない」ということだ。
上記で例えるならば、A氏を評価したのが女友達ではなく、A氏と仲の良い男性であった場合、Bさんは「A氏から褒めるように頼まれたのかな」と勘繰ってしまう。この場合はウィンザー効果が著しく弱くなってしまうと言える。

ビジネスにおけるウィンザー効果


では、ウィンザー効果をビジネスに置き換えてみよう。
実はこちらもインターネットで調べものをする習慣のある人にとっては、日常的にウィンザー効果を体験している。ビジネスおよびWEB業界における代表的なウィンザー効果は「口コミ」だ。トリップアドバイザーや食べログ、ぐるなびといった口コミサイトは、ウィンザー効果を非常にうまく取り入れていると言える。

例えばレストランの経営者が、自社のホームページで「弊社の焼くステーキは日本で一番おいしいです」、「ミシュランの星付きのお店にも負けない料理と評判です」と自己PRをしたとしても、ユーザーが信じるかは疑問だ。一方、口コミサイトで第三者から似たような意見が投稿された場合、それを読んだ読者の中には、「へえー、そんなに美味しいんだったら今度行ってみようか」と考える人もいることだろう。
口コミサイトだけではなく、当事者がまったく関係のない第三者が発信する媒体であれば、メディアは問わない。まとめサイトや個人のSNSでも同様のウィンザー効果を得ることができる。
出典:ウィンザー効果とは?信頼を得るための方程式

コントロールメディアはステルスマーケティングではない


コントロールメディアは、主にこのウィンザー効果の心理を利用したマーケティングとなり、オウンドメディア以外の媒体(メディア)を駆使し、自社商品・サービスを見込み客に紹介する。
しかし、誤解なきようお願いしたいのが、「コントロールメディアとは、PR表記を行うため決してステルスマーケティングを指すわけではない」ということだ。ステルスマーケティングとは、自社が他者になりすまして実際より高評価の意見を投稿したり、嘘の情報を与えて消費者を欺き、購買意欲を喚起する悪質な行為だ。知られたところでは2012年のペニーオークション詐欺事件で、「ステマ(ステルスマーケティングの略)」はその年の流行語にノミネートされたほどだ。
参考:ステマとペニーオークション詐欺事件(東洋経済)

コントロールメディアの本質とは


ステルスマーケティングは日本の法律下ではグレーゾーンとなるケースが多いが、場合によっては景品表示法に抵触する可能性を多分に秘めている。景品表示法では、「実際のもの、または競争事業者に係るものよりも著しく優良、または有利であると一般消費者に誤認されるものである場合」(引用:Wikipedia|ステルスマーケティング)に対して違法とみなす文面がある。
上述したような、自分もしくは業者に依頼して高評価の口コミを流すのは景品表示法に違反する可能性があると言っていいだろう。

しかし、コントロールメディアの『肝』となる部分は、あくまでも「PR表記をしながら事実に基づく情報を第三者視点でコンテンツ化した媒体」となることを覚えておくといいだろう。

消費者は自社広告に対して敏感に拒否反応を示す


日本ではインターネットが普及して20年余りが経ち、パソコンやスマホといったインターネット通信機器の保有率は20代から50代までで90%を超える結果となっている。
出典:情報通信機器の保有状況(総務省調べ)

そのため、ほとんどの消費者が1日数度のインターネットを介した何かしらのWEB広告を目の当たりにしていると予想することができ、彼らの購買行動パターンも年々進化しているといって差し障りない。不動産やサプリメント、WEBシステムなど高額な商品を購入するときの消費者の目は非常に肥えているといえる。

オウンドメディアで自社の商品をPRしたり、Google広告や広告バナー程度では、到底消費者の購買意欲を促進させることは叶わない。どんなに魅力的な商品やサービスであり、他者と決定的に差別化を図れる点を明確に紹介・説明することができるとしても、消費者は自社のことを信用していない、あるいは半信半疑でホームページなりSNSを読んでいると考えるべきだ。

そのため、2020年のIT時代の最中、自社メディアのみを通じた消費者へのアプローチは、なかなか効果的とは言い難いものがある。
そこで非常に高い効果が期待できるのが、コントロールメディアだ。コントロールメディアは第三者目線、いわゆる客観的な立場から自社の商品情報を提供することによって、消費者への信頼性・信憑性を高める役割がある。自社メディアで発信するケースでは、「自分の会社の製品を紹介するのは当然だ」、「本当かな、けっこう大袈裟に言っている気がするけど」、「ここに紹介されている体験談とかも、実際はサクラだったり、良いコメントだけを載せたりしているんでしょ」と消費者は勘繰るのが普通だ。
しかし、コントロールメディアで同じPR文とコメントを消費者が読んだ場合、がらりと彼らの持つ印象は変わるのだ(=ウィンザー効果)。
出典:総務省第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長

コントロールメディアの作り方


コントロールメディアは自社が運営するものの、それをユーザーに悟られてはいけない。そのためドメインを新たに取得し、自社とは関係ないまったく別のWEBサイトとして立ち上げることからはじめる。

コンテンツを決めるポイント


コンテンツはあくまでもユーザーファーストを念頭におき、ユーザーが求めている価値ある記事を提供できる環境を整える必要がある。
コンテンツの中で自社の商品やサービスを自然にPRすることはもちろんだが、あくまでもPR表記をしたうえで第三者目線での評価、及び事実を記さなければならない。もし消費者が「あれ、このサイトもしかすると、あの会社のステマじゃない?」と勘繰られたら、コントロールメディアとして成立しなくなってしまう。そのため、消費者にとってコントロールメディアに更新されているコンテンツは、常に信頼に足り、参考にすることができるものでなければならない。

メリットとデメリット双方の情報を取り入れる


世界に存在する商品・サービスには、メリットとデメリットが必ず表裏一体となって存在する。
言い換えればメリットだけの商品やサービスは存在しないのだ。自社ホームページでは原則デメリットを追求することはなく、魅力や特徴のみを紹介するため、それが消費者に不信感を抱かせているのだ。そのため、コントロールメディアを作る際は、メリットはもちろん、その裏側にあるデメリットや欠点も事実としてしっかりと消費者に伝えることが肝要となる。ただし、デメリットや欠点は場合によっては消費者の直接の離脱に繋がるため、ケースバイケースでフォローをするのも忘れないようにしよう。

精緻化見込みモデルを把握する


精緻化(せいちか)見込みモデルとは1986年にアメリカの心理学者と神経科学者により提唱された人の思考ルートモデルだ。
人には大きく分けて「中心ルート」と「周辺ルート」の2つの思考パターンがあり、商品を購入する際は、この2つのいずれかのルートに沿って検討及び購入をするという理論となる。

簡単に説明すると、中心ルートをたどる消費者は不動産や車といった高額商品を購入する傾向にあり、周辺ルートをたどる消費者はお菓子や料理など自分にとってそれほど重要ではないものを購入する傾向にある。

例えばレストランでメニューを選ぶ際は、料理の含有成分やカロリー、栄養素、調理方法などはそれほど気にせず、写真の見た目、おいしさ、値段など直感的に単純に決めることがほとんどだ。それが周辺ルートとなる。周辺ルートで消費者に商品を購入させたい場合は、コンテンツで紹介する写真やキャッチコピーに力を入れたり、有名人に広告塔になってもらったりするのが効果的と言われている。

しかし、コントロールメディアでは数万~数百万以上の高額商品を扱うケースが多く見られ、商品も上述した不動産や車の他、WEBサービスや医療機器、サプリメントや家具、高級ブランド品やジュエリーなど多岐にわたる。そのため、消費者は見た目に惑わされることなく、事前に可能な限り情報を集めた上でコンテンツを熟読し、その記事が良質であり、自分の悩みや問題を解決してくれると考えるに至った場合に問い合わせをする。これが中心ルートの特徴となるが、中心ルートでは良質なコンテンツを経由して問い合わせが合った場合、こちら側が需要に則した情報を提供することができると高い確率で成約に到達することが可能となる。
出典:説得の本質に迫る精緻化見込みモデルとは?|中心ルートと周辺ルート

コントロールメディアは長く運用してこそ価値が高まる


コントロールメディアを立ち上げ、消費者から信頼を獲得するのは一長一短ではいかない。どんなに価値のある記事であっても、それが数年前の情報であったり、数少ない投稿数であれば、消費者の心を揺さぶることは不可能だ。また、作成したコントロールメディアは効率よく露出させるために、SEO対策にもある程度力を入れる必要がある。 しかし、検索上位に表示された暁には、PVとコンバージョン率の劇的な向上も見込めることだろう。

まとめ

コントロールメディアでは高額商品が飛ぶように売れていく大変魅力的なメディアであることは間違いないだろう。
しかしコントロールメディアの運用には法的知識が不可欠だ。
コントロールメディアは景品表示法や日本の各法、社会通念上の理念を守ってこそ存在意義を発揮する。安全管理の届いていないコントロールメディア運用業者には十分注意してもらいたい。

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