COLUMN経営コラム
マーケティング
2019.09.13
集客力が高まるキャッチコピーの法則とは
経営者、組織のリーダーは、課題に直面しては打破し、さらに別の課題と向き合うといったことを繰り返している。また、どのような業種であっても、お客様に価値を与え続けていくためには利益をだしていかなければならない。
本記事ではその経営において、利益を出していくために大きな働きをする「キャッチコピー」についてご紹介したい。
利益を上げる言葉の大原則
43,252,003,274,489,856,000―
読み上げると4325京(けい)。
この数字が何か示すかお分かりだろうか。
この数字は、ルービックキューブの組み合わせの数を指している。
この無限の組み合わせが、達人の手にかかると約5秒で完成する。どのような乱雑とした状態にあっても、20手程度あれば完成させてしまうだろう。
言葉も同じだ。
言葉の組み合わせは無限にある。売り手は、この言葉を巧みに組み合わせ、できる限りの情報を届けようと努力する必要がある。
あなたはキャッチコピーを考えるとき、どのようなことに気を付けながら言葉を組み合わせているだろうか。
キャッチコピーを考えるにあたり、一番重要なことはシンプルであることだ。
たとえ複雑な商品・サービスであっても、シンプルな言葉で伝えていかなければ商品・サービスは理解されず、当然売れ行きも落ち込んでしまうだろう。
売上げ14倍!キャッチコピーの重要性
群馬県に機能性インソールをつくっているBMZという会社がある。
BMZが女性向け製品を販売する目的で百貨店に出店したときのことだ。オリンピックのメダリストなども使用している製品だったが、百貨店での売上げは6日間で約15万円と厳しい結果となっていた。
このときに使っていたキャッチコピーは、
・重力を最大限に利用する。
・限界への挑戦がはじまる。
といったものだった。
正直、女性に届きづらいキャッチコピーだったのだろう。
そこで、メリットを女性に分かりやすいように表現したキャッチコピーに変えることにした。さらに、機能性を裏付け、製品を定義するフレーズとして、あえて未知のキーワードである「立方骨」を使うことにした。
改善後のキャッチコピーは次の通りだ。
・BMZインソールを使うと疲れにくい、ころびにくい、姿勢がよくなる!
・立方骨で足アーチを守る特許インソール、BMZ。
これに図解を足した大型パネルを用意した。
そうすると、パネルを見たお客様が次から次へと来店してくれるようになったのだ。
足の疲れや足腰などに悩みを抱えていた女性が列をつくり、
「立ち仕事なので足に疲れがたまる」
「外反母趾(がいはんぼし)にいいのはどれですか?」
など、お客様からニーズを打ち明けてくれるようにもなった。
このように顧客目線のキャッチコピーに変えただけで客足や状況が一変した事例となる。
そして、売上金額は同じ6日間で約212万円を記録した。
この売上は前回の14.1倍にもなる数字だ。自社の顧客にとっての価値をシンプルにキャッチコピーにいれることにより、会社やお店の利益は大きく変わった事例はたくさんある。
顧客に刺さる強いキャッチコピー
1. 具体的な数字
キャッチコピーには根拠のある数字を打ち出すことで、顧客に明確なイメージを抱いてもらいやすくなる。
キャッチコピーはシンプルかつ具体的であればあるほど響きやすくなる。
以下は実際に使用されている事例だ。
・3.8秒に1個売れている
・起業に成功する7つのステップ
・3か月で痩せる
・10歳若く見られるメガネだ
・愛情くっきり20倍ムービー
2. 擬音語・擬態語
ピカピカ、ドンドン、びゅうびゅうのような言葉で臨場感を出すことで、より顧客が商品のイメージをしやすくなる。
食べ物などには「サクサク」や「もちもち」などさまざまな表現が用いられているのは日常的に目にすることだろう。
日本人は特に食感を気にする傾向があるため、この表現方法により商品の売れ行きが大きく異なることもある。
事例)
・ピッカピカの一年生
・さらりとした梅酒
・思い出ガタゴト 東京都電 diary
・ガリガリ君
・しあわせ、すくすく
3. 初耳の言葉
人は、初めて聞く言葉に好奇心や興味をもつことがある。
精肉店やステーキに使われる牛肉に「A5ランク」と表示されているのを見かけたことはないだろうか。
この「A5ランク」という言葉はもともと、食肉業者だけの業界用語だった。こうした一般の人が聞きなれないワードを使用することによって興味を持たせることもできる場合がある。
事例)
・タウリン1000mg配合
・TNP(低燃費)
・結果にコミットする
・グラブってる?
・なぜ負動産を買ってしまうのか?
4. ギャップのある言葉
流行をつかんでいる組み合わせでギャップのある言葉がある。
不釣り合いの組み合わせにより、顧客に良いイメージを与えることができる場合がある。
事例)
・英会話が生きている
・会いにいけるアイドル
・大人の修学旅行
・コクがあるのに、キレがある
・廃業寸前の町工場が売上200%達成
5. 感情に訴える言葉
刺さるキャッチコピーに用いられる表現として、感情に訴えた言葉がある。
感情的な言葉を混ぜることにより、顧客からの注目を集めることができるのだ。
事例)
・命より重いお金の話
・嘘をついていた
・これで売れなきゃ、あきらめてください
・ついに閉店する
・人生が変わった
6. 意外な事実を言葉にする
専門家やその方面に通じる人だけが知っている事実がある。
そうした情報をキャッチコピーにいれることで商品・サービスへの関心を高めることもできる。
事例)
・英語が話せると、10億人と話せる。
・第一印象の7割はヘアスタイルで決まる。
・住まいの88%は空気だ。
・家は路上に放置されている。
・南にいくほど、断熱材は厚くなる。
まとめ
ビジネスにおけるキャッチコピーはいうまでもなく「売る」ためにある。
自社の商品・サービスに優れたキャッチコピーをつけることは、会社の利益をあげることにつながる。
本記事で挙げた事例を参考にキャッチコピーについてぜひもう一度考えてみてほしい。