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マーケティング

2020.02.16

インサイトの爆発力|売れるインサイト、売れないニーズ

インサイトの爆発力|売れるインサイト、売れないニーズ

インサイトとニーズの違い

インサイトとは、顧客を動かす隠れた心理のことを指します。つまり、消費者自身も気づいていない隠れた状態となっている心理であるため、一般的にインサイト調査によって発見していきます。
一方、ニーズとは本人自身も認識できている欲求を指し、それは競合他社も知っている事実です。現代においてはすでにほとんどのニーズが満たされている状態にあります。
 
インサイトを発見できた場合、短期的に市場に参入することも可能で、インサイトをとらえていれば市場の競争にも優位に立つことができます。しかし、消費者はこれが足りていない、というニーズというのは明確化しているため市場の競争優位に立つことが難しいとされています

インサイトが注目される理由

インサイトという言葉は、1960年代のイギリスの広告業界で広告表現のアイディアを得るための重要な概念として注目されました。消費者はなぜほしいと思うのか、という深層心理に着目した考え方で、その消費者の行動や心理を深く理解しようとすることが重視されたのです。
グローバル企業P&Gの経営理念では、「Consumer is Boss(消費者こそわたしたちのボス)」というスローガンを掲げ、消費者のインサイトを最重要視することを明示しています。
 

インサイトの威力、東京ディズニーシーを抜いたUSJの記録


2015年、P&G出身だったユー・エス・ジェイ森岡毅執行役員はインサイトを利用し、東京ディズニーシーを抜いた過去最高入場者数1390万人を記録しました。
森岡氏は米国在住中に体験したハロウィン文化の経験から、日頃は表に出すことのないダークサイド面を表に出して熱狂しても許されるハロウィーン文化に着眼しました。
「日本の女性はストレスが溜まりやすい社会環境に置かれているのに、安心してストレスを発散できる環境に恵まれていない」
このような観点から「本当は素の自分をさらけ出して弾けたい」という消費者インサイトを導き出し、無礼講でダークなものを楽しめるハロウィンのゾンビ企画を立案したのです。これは日本文化を変えるほどのインパクトを与え、設備投資を行うことなくアイディアのみで日本一の集客を実現しました。
 

人間の心理「表と裏」の存在

人間の心理には、堂々と口にすることのできる善や正しさといった「表」の心だけではなく、人から軽蔑されたりするような悪い心とも言える「裏」が存在します。インサイトとは、表面的な足りないというニーズとは異なり、何故そう思うのかを「表と裏」の側面から人間を分析する必要があります。
 
本田技研工業創業者の本田宗一郎氏は次のように述べています。
「研究所は人間の気持ちを研究するところであって、技術を研究するところではない。研究所の人間の第一にするべきことは、お客様の心理を研究し、お客様の将来価値を見つけること。それが分かったら、手段である技術を使って将来価値を実現すれば良い。」
この言葉は、人間・お客様の気持ちを研究することがスタートであり、その気持ちや心を満たす価値を考え実現させていく、という重要なビジネスのプロセスを説かれています。
また、マーケティング研究の第一人者であるフィリップ・コトラー氏は近年、先進国の経済は低成長下にあり、求められているのはイノベーションだと指摘しています。
生きていくうえで必要なモノ・サービスはすでに行きわたり「欲しいものがない」と言われている時代です。この成熟化した社会では従来の発想ではなく、消費者の心を動かす隠れた欲求を満たすことが必要なのです。
 

まとめ

インサイトとは、消費者にとって自覚のあるものではありません。ニーズが満たされているこの時代のマーケティングにおいて、消費者の隠された心理を分析することは必要不可欠です。
消費者はなぜ買うのか、そしてなぜ買わないのかの奥底に隠された心理を見つけ出すことこそ、ヒット商品を生む鍵となるのです。 



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