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マーケティング

2020.04.17

価格の効果|集客に影響する価格設定

価格の効果|集客に影響する価格設定

商品の価格が顧客にどのような影響を与えるかご存じだろうか。

企業は商品の販売にあたり、必ず価格設定を行わなければならない。
本記事では集客に影響する価格設定について説明していこう。

価格設定とはなにか

まず次の挿絵A、Bの画像を比べてみてほしい。
A、Bはそれぞれいくらの価格がつけられているかお分かりだろうか。

A

B

答えはAは300円。Bは3600円だ。
2つのかまぼこの違いはAが市販のかまぼこであるのに対し、Bは小田原にある老舗かまぼこ店「鈴廣かまぼこ」で販売されているかまぼこというところにある。

3600円のかまぼこは「超特選蒲鉾 古今」で、300円のかまぼことの大きな違いは職人の手作りであることだ。この高級かまぼこは、慶応元年(1865年)創業の同社の集大成の商品として今でも消費者からも高く評価されている。
 
それでは次のA、Bの価格はどうだろうか。

A

B

答えはAは10万円。Bは160万円だ。
AとBの違いはAは30年もの、Bは100年ものというところにある。
盆栽には日常の手入れは欠かせない。その手間をかけた月日が価格の違いに出ている。盆栽のなかには、江戸時代から手間をかけてきた400年もので1億円という価格がついているものも存在する。

このかまぼこと盆栽について2パターンの価格をご紹介したが、その商品に興味がない人にとっては似たようなものに映ったかもしれない。

価格は顧客にとっての商品の価値を表す。顧客は商品の価格ではなく、その商品の価値に対してお金を支払うという前提がある。
あなたの提供している商品には、いったいどのような基準で価格がつけられているだろうか。

価格を下げるメリット、デメリット

値付けをするにあたり、よくある誤った価格設定の判断がある。

それは、商品が売れなくなるとまず検討する、価格を下げるという選択だ。
商品の価値に焦点をあて、価格を下げることを検討している場合は良いが「安くすれば多く売れるだろう」という考えで価格を下げているケースは非常に多くある。

価格を下げるという選択は、ただ単に商品の価格を下げるだけではなく、さまざまなデメリットが伴うことも忘れてはいけない。最悪の場合、その値付けが原因でビジネスが追い込まれ倒産してしまうこともある。

あるリゾート物件会社がおこなった調査では、元値または元値に近い価格で物件を購入した顧客は質がよく、逆に値引き価格で物件を購入した顧客は質が悪いという結果が出た。
この分析結果では、値引きをおこなうことで集まる客層が変わることを示している。

しかし、効果的な値引きも存在する。

よく活用される例として、数量値引きがある。「たくさん買えば安くなる」というお得感により購買を促進するものだ。
他にも早期特典やまとめ買いなどがある。提供側としては、早めに支払いをしてもらうことにより現金の回収に困ることがなくなる。また、たくさん購入してもらうことは自然と取引数を伸ばすことになるため利益にもなる。

このような売り方は消費者も安く売られている理由を理解しているため、マイナスイメージを持たずに購入してもらうことができる効果的な値下げであるといえるだろう。

値引き社員はいないか。


実際の現場では値引きは日常的におこなわれている。

その値引きが、価格戦略に基づくものであればなにも問題ないだろう。しかし、顧客に購入してもらうためにやむなく値引きをしているのであれば、とても危険な値引きといえる。

会社の利益は商品が売れたときに発生する。
それを目の前のお客様欲しさに軽々しく値引く行為は、会社の利益を削ることを意味する。日常的におこなわれているのであればなおさら無視してはならない。もし、あなたの会社に値引き社員がいるならば「価格と利益の構造」を理解してもらう必要がある。

顧客から得る利益とは、給料や事業転換はもちろん、顧客に提供するべき価値に必要となる利益だ。値引きをするということは、どこかでそのマイナス分を埋める必要があり、そのマイナス分を埋めた分のマイナスが必ず発生してしまう。

価格と利益の構造のなかで「社員が売り上げたお金がどれほど会社の役に立っているか」「正規の価格で販売することで、顧客はどれほど得をしているのか」を伝えていくことも大切だといえるだろう。

まとめ

「値決めは経営である」
京セラの創業者稲森和夫氏は、このように値決めの重要さを語っている。
価格とは商品の価値の値段だ。低価格で提供することは、ときに顧客に商品への信頼に対して誤解を招くことがある。
世の中には安ければ良いという人ばかりではない。ビジネスの本質とは、低価格を売りに顧客に喜びを与えるのではなく、顧客の必要としている価値を満たすことにある。

また、高価格であっても価値を追求している会社は、低価格で販売している会社よりもはるかに繁栄していく確率が高い事実がある。
経営をしていくうえで、常に自社の商品の適正な価格と価値について考えていく必要があるといえるだろう。
 

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