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マーケティング

2020.10.14

市場調査と競合調査の違いとは

市場調査と競合調査の違いとは

市場で競合を抑え、売上を上げるためには市場調査と競合調査が重要になる。しかし、中には市場調査と競合調査の違いがわからないという経営者も少なくないだろう。

本記事では市場調査と競合調査の違いを紹介したうえで、それぞれの実施方法を解説していく。

市場調査と競合調査の違いとは?

市場調査の一環で競合調査を行うこともある。そのため競合調査と市場調査を混合する方もいるかもしれない。しかし市場調査と競合調査には大きな違いがある。

まず市場調査は顧客の動向や市場のニーズを探ることを目的とする。調査方法はアンケートや電話、インタビューなどだ。
そして、得られた調査結果は顧客動向に基づき既存商品の改善や市場のニーズに基づいた商品やサービス開発に活用される。

一方で競合調査は競合する企業の商品やサービスを比較し、様々な事項の分析を行うことを目的とする。比較事項は売上や利益、労働生産性、流通プロセスなど多岐に渡る。

市場調査の方法


市場調査の方法を4つのステップで解説していこう。

調査目的の明確化

問題と目的設定は市場調査の最も重要なステップといえるだろう。本ページを訪問している方には「課題」や「目的」があるはずだ。その課題や目的を明確化しよう。例えば以下のような課題や目的が考えられる。

①市場分析:顧客のニーズ・ライフスタイル・購買行動・認知利用実態・満足度など基礎情報を収集することを目的とする
②アイデア創造:消費者のニーズや不満点を把握し、施策アイデアや商品コンセプト等に活用する。

調査設計

調査設計ではどのような方法でどのような市場調査を実施するかを決定する。代表的な市場調査方法にはインターネット調査・グループインタビューなどがある。調査目的に従って適切な調査設計を行うのが重要だ。

調査の実施

調査設計に従って調査を実施しよう。
調査の目的によっては調査対象者の選定が非常に重要になる。例えば一般的な市場調査では平均的な普通のユーザーを調査対象として選定すれば十分だ。しかし調査を新しいアイデアの発見のために行う場合には、商品やサービスを極端な方法で利用するエクストリーマーへの調査が有効になる。

結果の検証・仮説分析

調査終了後にはデータの集計や分析を行い、レポートを作成しよう。調査結果を闇雲にまとめるのではなく、最初に定めた調査の目的に従ってレポートの活用方法を考慮したうえで、利用しやすいレポートにまとめるのが重要となる。自社での対応が難しい場合には調査会社に依頼するのも一つの手段と言えるだろう。

競合調査の方法


競合調査の方法を4つのステップで解説していこう。

比較対象の決定

競合調査の第1のステップとして、まず比較対象を洗い出そう。つまり「自分たちの競合企業や競合サービスはどこか」を明らかにするということだ。ここでは類似サービスを取り上げるのはもちろん、企業やサービスが提供する価値をベースに洗い出すのも重要になる。例えばバス会社の競合はバス会社だけではなく、鉄道会社や航空会社も含まれる可能性があるということだ。

比較項目の決定

次に比較項目の洗い出しを行っていく。比較項目は業界によって重要度が異なるため、洗い出した比較項目を慎重に検討して決定しよう。例えばBtoB企業の場合には、以下のような比較項目が考えられる。

①会社情報:企業規模・事業内容・商品リリースの年度・資本金など
②人に関する情報:組織人数・営業人数・目立つ営業マンの有無など
③商品情報:商品概要・価格・提供方法・販売後のアフターフォローなど
④広告宣伝:PR力・利用媒体・SNSアカウントの有無など

データ収集

比較項目の選定が終了したらデータ収集に移行しよう。データには価格や数量などの数字で比較可能な定量的な項目と使いやすさなど数字での比較が難しい定性的な項目があるがどちらも重要だ。データ収集方法としてはネットリサーチ・競合企業への訪問・調査会社の使用が考えられる。

分析・検討

データが収集できたら、分析や検討を行っていく。以下の分析方法のような定番のフレームワークを利用することで、効率よく分析できるだろう。

①3C分析:ビジネス環境を顧客(Customer)・競合会社(Competitor)・自社(Company)の3つの視点から分析する手法
②4P分析:どんな製品(Product)を、いくら(Price)で、どこで(Place)、どのように(Promotion)して売るかを策定することを目的とする手法
③SWOT分析:ビジネス環境を強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)」の4つの視点から分析する手法

分析が終了したら適宜報告書などにまとめることをおすすめする。

まとめ

市場調査と競合調査を混同してしまう方は少なくないが、明確に異なるものだ。自社の売上を改善するためには、市場調査と競合調査の両方を行うことが重要になる。本記事で紹介した方法を参考に目的にあった方法で調査を行って欲しい。

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